闇の住人

願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ ー 「遠野物語」柳田国男

恐ろしくもあり、ときには愛嬌もあり。

そんな妖怪たちの世界をCGで描いています。

手の目(Tenome)

むかし、旅の座頭がおりました。

ある日、盗賊に襲われ身ぐるみをはがされたうえ、命を奪われる。

しかし、その怨念は手探りで仇を追い求め、やがてその執念からその手に目が開きました・・・

どうして、実際の目が開かなかったのか?

輪入道(Wanyudo)

車輪の真ん中に入道の顔があり、方々をめぐり歩く。これを見た者は魂を抜かれてしまうということらしい。ということはこの妖怪の姿を知る者は存在しないことになるのだが・・・
「此所 勝母の里」と紙に書いて家の前に貼っておくと、輪入道は近づくことはないといわれている。

からかさ(Karakasa)

妖怪の中ではよく知られた傘お化け。

様々な形の傘の妖怪が描かれていますが、現在ではこの形に落ち着いたようです。歌舞伎の「闇梅百物語」にも登場します。人を脅かすだけのあまり害のない妖怪です。本来は物に霊魂が宿った付喪神(つくもがみ)の仲間。

牛鬼(Ushioni)

非常に獰猛な性格で、人を襲うという。
形態には諸説あり。
頭が牛で身体が鬼。または頭が鬼で身体が牛とも。
個人的には江戸時代の絵師佐脇嵩之『百怪図巻』の「うし鬼」をベースにCG化している。
各地に様々な伝承があり、「牛鬼」をテーマに一冊の本ができてしまいます。